敬語が他人行儀でも幼児語は絶対にNG

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幼児語や幼児扱いはNG

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患者さんへの幼児語はマナー違反

患者さんの中には、認知症などで意思の疎通が難しい人や体の自由がきかない人もいます。そんな患者さんに対し、幼児語で話しかけたり、赤ちゃんと接するような態度をとることは絶対にNGです。看護師側としては患者さんと打ち解けたいという思いがあっての言動かもしれませんが、幼児扱いされて不快に思う人も多いのが現状です。病院に来院・入院される患者さんは、ただでさえ病気やケガで大きな不安を抱えています。些細な言動でも患者さんを傷つけたり、ストレスを与えてしまうことがあるので注意が必要です。

患者さんや家族が不快に思う具体例

ここでは、実際に患者さんが実際に不快に思った経験談をいくつか例示します。
(1)排尿や排便の際、他の入院患者にも聞こえる声で「おしっこ取れた?」「うんち出た?」と聞かれて恥をかいた。
(2)注射の際、自分の子供と同じくらいの年代の看護師に「チクッとするよー」などと言われ、イラッとした。また、患者さんだけでなく、その家族が見舞いの際に不快に感じることも多いようです。
(3)認知症の母を幼児扱いされ不快に思うも、病院内での立場が悪くなることを恐れて我慢した。
(4)厳格だった父が、看護師に「お熱測ろっか?」などと幼児語で話しかけられているのを見て、悲しくなった。
このように、看護師側にそのつもりはなくても、幼児語によって自分や家族をバカにされてた、あるいは下に見られたと感じる人が多いようです。

患者さんに不快感を与えないためには

上記に記したように、多くの患者さんや家族が幼児語によって不快感を感じています。もしその不満や苦情をネット上で公開されれば、病院自体の評価を下げることにもなりかねません。そのため、看護師は「幼児語でのコミュニケーションはマナー違反である」としっかり自覚したうえで接する必要があります。一見幼児返りしているように見えても、相手は人生経験を積んだ立派な大人です。どんな状態でも、そしてどんなに仲良くなろうとも、相手に敬意を払うことを忘れてはいけません。もちろん幼児語を特に気にしない患者さんもいますが、その見極めが難しい場合、どの患者さんにも丁寧な言葉遣いで平等に接することが大事です。敬語が他人行儀と感じる場合でも、声のトーンや表情、仕草などで親しみやすさを出すことは十分に可能です。そういった面で工夫すれば、患者さんに良い印象を与えることができるでしょう。