コンビニエンスストアやファーストフード店などでは、社員ではなく若いアルバイト店員や学生アルバイトが主となって接客をする状況が増えています。お客様を不快にさせないために使われる言葉で一見丁寧な印象のアルバイト言葉ですが、厳密には正しくない言葉遣いが横行しています。ビジネスは大人の世界ですから、挨拶と正しい言葉遣いができることが基本となります。
身だしなみなどの外見や態度は、本人の意識で変える事ができます。ですが、すぐに直せないのが言葉遣いです。言葉遣いは過去、そして現在の自分がそっくりそのまま出てしまう鏡のようなものです。大人の言葉遣いが求められるビジネス場面でアルバイト言葉を使っていると、相手に未熟な印象を与えたり、悪い印象を与えることになります。どのような言葉遣いがアルバイト言葉なのでしょうか?以下に代表的なものを例示していきます。
(1)「お箸のほうはいくつお持ちしましょうか?」は「お箸はいくつお持ちいたしましょうか?」、「名刺のほうをいただけますか」は「名刺をいただけますか」
→「~のほう」というのは二つのものを比較した際に使用します。比較対象がないのに「ほう」をつけるのはNGです。意味もなく「ほう」を使用しないように注意をしましょう。
(2)「おつりになります」は「おつりです」、「紅茶になります」は「紅茶です」、「1300円になります」は「1300円です」
→「~になります」という言い方も回りくどくNGです。この場合は「~です」とはっきり伝えるのが正しい言葉遣いです。
(3)「5000円からお預かりします」は「5000円をお預かりします」
→これは不要な「から」です。相手が不快に感じる言葉は使わないように意識して改善しましょう。
(4)「~でよろしかったでしょうか」は「~でよろしいでしょうか」
→現在進行形で起きていることに対して会話をしている場合、「よろしかった」という過去形ではなく「よろしい」が正解になります。
(5)「ご用意頂くかたちになります」は「ご用意をお願いしております」
→「かたち」は形状や外形をさす言葉なので、違和感を感じる人も多いようです。「~のかたち」はなるべく使用しないようにして、シンプルな言葉しにした方が印象が良くなります。
今回ご紹介した言葉遣いはほんの一例ですが、もしアルバイト言葉を使っているという自覚がある場合は、自分自身で日常の言葉遣いに目を向け少しずつ正しくしていくことが近道になります。