患者さんのご家族と接するときに看護師が気をつけたいポイント

看護師のための敬語講座

正しい言葉遣いと適正な敬語を使えるようになってキャリア転職を目指す

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患者さんのご家族への対応と言葉遣い

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敬語を使って適切な距離感を!

患者さんやそのご家族と信頼関係を築くことは、治療を円滑に進めるために重要です。そのため、親近感が持てるようにと、友だちに語りかけるような話し方をする看護師もいますが、それが必ずしも受け入れられるとは限りません。特にお見舞いで病院に来ていたり、医師の説明を受けに来ていたりする患者さんのご家族の場合は、接する時間が患者さんほど多くはないので、友だち言葉を使ってしまうと馴れ馴れしさばかりが際立ってしまい、クレームにつながることも…。 したがって、看護師が患者さんの家族とコミュニケーションを図るときには、「親しき中にも礼儀あり」という言葉にもあるように、敬語を用いて会話をしつつ、いざというときには安心して頼れる雰囲気を作っておくほうが好感度を得やすいようです。

わかりにくい医療用語は使わない

同業者同士で話す場合は医療用語を使ったほうがスムーズに伝わることも、相手が患者さんやそのご家族の場合はそうはいきません。医療用語を使うと専門職らしい印象を与えることはできますが、医療業界以外の人にとっては馴染みがないため、時には相手を萎縮させてしまったり、円滑なコミュニケーションを阻害したりする要因になってしまいます。ですから、「バイタルサイン」は「体温・脈拍・血圧・呼吸数」、「QOL」は「生活の質」というように、普段何気なく使う専門用語も、噛み砕いて伝えるようにしましょう。 些細なことかもしれませんが、治療を受ける側にとって現状把握や治療内容を正しく理解することは重要です。過度な不安を感じさせないためにも、医療業界ならではの難しい言葉は避けるようにするべきです。

不安を抱える患者さんのご家族には、傾聴の姿勢を示そう!

医療機関では、ケースに応じて最新かつ最良の医療(EBM)を提供すると同時に、対話に基づく医療(NBM)も重要視されていますが、これは患者さんだけでなく、そのご家族に対しても言えます。患者さんのご家族は、お見舞いに来たり、治療や検査に関しての説明を受けたりして、闘病生活のサポートをしてくれる重要な存在なので、看護師は患者さんに対するのと同じくらいコミュニケーションを大切にしなければなりません。 その際、まず気をつけてほしいのが傾聴の姿勢です。患者さん同様、そのご家族も病気や怪我の治療に対しては不安を感じています。そのため、症状や治療方針について医師や看護師に尋ねたいことがたくさんある方もいるはずです。したがって、そのような患者さんのご家族と接する時には、きちんとその気持を受け止め、質問にはしっかり耳を傾けるようにしましょう。